kumano22’s diary

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メンバーシップ型からジョブ型雇用への変化について思うこと

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[目次]

1.ジョブ型雇用とは

2.メンバーシップ型雇用とは

3.ジョブ型雇用が広まっている背景

4.ジョブ型雇用のメリット

5.ジョブ型雇用のデメリット

6.ジョブ型人材を採用するために必要なこと

7.ジョブ型 米国の場合

8.ジョブ型 日本の場合

9.次にくる新しい形

10.まとめ

 

1.ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、職務(ジョブ)や勤務地、労働時間が限定された雇用契約のことを指す。
「1つの会社でキャリアを積んでいく日本型の雇用を見直すべき」と提言した、日本経済団体連合会経団連)の中西宏明会長。
重視されるのは年齢や学歴、意欲というより、顕在化されたスキル。
一言で表すと、仕事に人をつける働き方。分かりやすい例を挙げると、欠員補充時の採用が近い。専門スキルを持つ人材が突然辞めるとなったとき、同レベルのスキルを持つ人材を採用する。 
欧米で主流。 
求人の時点で職務内容や勤務地、給与などがジョブ・ディスクリプション(職務記述書)によって明確に定められており、労働者はその内容に自分の希望・スキルが合っていれば応募。ジョブ・ディスクリプションが更新されない限り、配置転換や昇給、キャリアアップは生じない。

 

2.メンバーシップ型雇用とは

これは日本でよく見られる新卒一括採用型の雇用システム。多くは総合職として採用し、転勤や異動、ジョブローテーションを繰りかえすことで、会社を支える人材を長期的に育成していく。
一言で表すと、人に仕事をつける働き方。
仕事内容や勤務地などを限定せず、候補者はポテンシャルや人柄を考慮に入れて採用される。そのため、メンバーシップ型での採用は“就職”というより“就社”に近いといわれることもある。昇給・スキルアップ・配置転換・勤務地の変更など勤務環境が大きく変わる制度可能性があるのが特徴です。日本企業の多くは終身雇用・年功序列とともにメンバーシップ型雇用を採用しつづけてきた。
仕事がなくなっても配置転換により雇用が確保されるのが通常。またスキルだけでなくポテンシャルもみられるため、職務能力・経験に欠ける若者も仕事につきやすい。

 

3.ジョブ型雇用が広まっている背景は

(1)国際競争力をあげるため
メンバーシップ型雇用を継続していると、企業も企業に所属する個人も、専門性が高まりづらくなる。メンバーシップ型雇用を実施する会社だけでスキルを磨いたとしても、日本国内はもちろんグローバルの競争には勝つことができない。
年功序列・終身雇用の崩壊に伴い、徐々に成果主義をベースにした欧米型の雇用手法が日本に浸透していく


(2)専門職をはじめとした人手不足の進行
"AI、IoT、ブロックチェーン、ロボット、ドローン、5G、ビッグデータなど、第4次産業革命とも言われる技術革新に伴い、ITエンジニアやデータサイエンティスト、マーケティングなどの専門職が不足している。 従来までは一部の会社だけで求められた専門職ですが、技術革新に伴い、業界問わず多くの会社でのニーズが高まっている。


(3)ダイバーシティーの浸透
少子高齢化が止まらない日本において、労働人口の確保が急務となっている。その解決策の1つとして、多様な人材を積極的に活用する考え方「ダイバーシティ(多様性)」が浸透してきた。
育児と両立しながら時短勤務、介護をしながら在宅ワーク、日本で働きたい外国人労働者、定年後の再雇用、副業や兼業・・・勤務地や時間、職務内容を限定しながらも、スキルを最大限発揮したいという働き方を受け入れる機運が高まっている。

4.ジョブ型雇用のメリット
(1)企業側

①専門人材を採用できる
②勤務地、勤務時間、業務範囲を限定的にすることで、専門人材の採用も可能になってきている。ただメンバーシップ型雇用で年功序列型の給与体系だった場合、条件面で優位な外資系やベンチャー企業に見劣りしてしまうため、柔軟性の高い給与体系の導入が欠かせない。


(2)従業員側
①自分の専門分野で仕事に就ける
経理なら経理、営業なら営業など、自身が専門特化した分野だけを仕事にできる。
②ジョブローテーションなどがないので、専門スキルを磨ける
求職者は契約時に自らの職務を提示することができ、職務記述書や契約内容以外の職務は行なう義務は発生しない。安心して専門スキルを活かし、磨いていける。
③スキルを磨けば給与をあげられる
年齢や学歴などに関係なく、専門スキルに応じた採用基準になる。たとえば20歳でも専門スキルを保有していれば、専門スキルを保有していない40歳の給与を超えることもあるで。よりスキルを高めることで、厚待遇の会社へ転職することも可能になる。

 

5.ジョブ型雇用のデメリット

(1)企業側

①会社都合の転勤や異動ができない
メンバーシップ型雇用の特徴の1つとして、ジョブローテーションが挙げられる。ジョブ型雇用の場合は勤務地や仕事の幅に制限があるため、急な欠員への対応やキャリアアップのための転勤や異動ができない。
②新卒社員の活躍の場が少ない
ジョブ型雇用に求められるのは、職務を遂行できる専門スキル。当然専門スキルを身につけていない人が多い新卒社員の活躍の場はおのずと限られてしまう。
③転職される可能性がある
ジョブ型人材が専門性を高めることで、より良い待遇のところへ転職してしまうこともあり得る。また専門スキルを活かした仕事が自分に向いていないと気づいてしまうケースもあり、同様に転職リスクとなる。

(2)従業員側
①積極的な自己研鑽が求められる
AIやデータサイエンス、IoTなどの専門スキルは、日々めまぐるしく進化している。そのため、社内研修などを待つのではなく、自己研鑽を行なう必要がある。
②仕事が無くなったときのリスクがある
景気や会社の都合などで、専門スキルを活かした職務自体が無くなることがある。ジョブローテーションや職種転換などの選択肢がないので、退職リスクにつながる。

6.ジョブ型人材を採用するために必要なこと

(1)詳細なジョブディスクリプションが大事
ジョブ型雇用を行なうにあたり必要なものは、ジョブディスクリプション(職務記述書)。ジョブディスクリプションとは、あるポジションの職務内容を記した文書のこと。具体的な職務内容や職務の目的、目標、責任、権限の範囲から、社内外の関係先、必要な知識、スキル、経験、資格などが挙げられる。

 

(2)採用サイトなどでしっかり魅力を伝える
いくらジョブディスクリプションを詳細にしたとしても、ジョブ型人材の採用において不足しているものがある。それは、その企業で働く魅力です。求職者にとって他の会社にはない魅力がないと、応募、採用には至りづらいと言える。

 

(3)求人を職種ごとにわけて掲載する
たとえば、あなたが飲食店の運営会社で採用担当をしていたとします。その際に「総合職社員」という募集をした場合、どんな職務を担当するのか分かりません。
ホールなのか、キッチンなのか明確に職種をわけておく必要がある。

7.ジョブ型 米国の場合

米国では2年以上同じ会社に勤めた人は、生涯賃金を比較すると、そうでない人の50%以下の給与しか得られない。
一つの会社・ポジションで経験を積みキャリアアップの為に転職する、というスタイルが人材の流動性の根本にあると言える。

 

8.ジョブ型 日本の場合

資生堂は2021年1月から国内の非管理職社員の一部である約3800人に、ジョブ型人事制度を適用する予定。
味の素は管理職にジョブ型を取り入れた、本人の評価も勤務時間ではなく成果を基準に切り替えた。

 

9.ジョブ型の次にくる新しい形
 (1)ジョブ型正社員
「ジョブ型正社員」とは、職務、勤務地、労働時間のいずれかの要素(又は複数の要素)が限定されている正社員のこと。

(2)タスク型雇用
プラットフォーム・エコノミーに代表されるように情報通信技術が発達し、ジョブ型雇用でなくともスポット的に人を使えば物事が回るのではないかという声が急激に浮上している。

 

(3)ホラクラシー
ラクラシーとは役職や肩書、上司・部下などの関係が存在しないフラットな組織の形です。中央集権型のヒエラルキーとは真逆な考え方をしている。

10.まとめ

時代の変化の波が激しく、令和はまさに激動の年になります。
時代の変化に対応できるよう動向を掴み、スキルを日々磨いていきましょう。